【レポート】もっと誰もが楽しめる六本木アートナイトへ! インクルーシブツアー開催

一夜限りのアートの饗宴、六本木アートナイトをもっとインクルーシブに

もう先月のこと、スローレーベルは5月26日(土)、27日(日)の2日間、大都会の中で行われるアートのお祭り、六本木アートナイトの期間中、2つのツアーを企画・運営しました。

はじまりは、一緒になにかできないか? と、六本木アートナイト実行委員会から相談を受けたこと。六本木アートナイトをもっと多様な人が気軽に参加できるイベントにしたいが、これまで障害者を積極的に受け入れた経験がないので、知見を共有して欲しいとのことだったのです。それでは、スローレーベルの障害者と共に創作したり、場づくりをしてきた経験値で、まずは試しにツアーをやってみましょうと、「六本木アートナイトをバリアフリーに巡るインクルーシブツアー」の開催が決定しました。

2016年にはSLOW MOVEMENTで出演させていただいた六本木アートナイトですが、今回は”来場者に対して、いかにインクルーシブな場をつくれるか”がテーマ。そして、スローレーベルにとって、自分たちが主催ではないイベントで、障害者を受け入れる仕組みを作るのは初めてのこと。まだまだ勝手のわからない会場とイベントの仕組みの中でのチャレンジとなりました。

 

1日目は六本木ヒルズ内を、2日目は六本木ヒルズから東京ミッドタウンへ

インクルーシブツアーは2日間で各日1回づつ開催しました。初日は六本木ヒルズ内で作品解説を交えて数々のアート作品をじっくり作品を鑑賞。そして2日目は、六本木ヒルズから街中にくりだし、六本木西公園を経由して東京ミッドタウンに向かいました。本レポートでは、街中にくりだした2日目の様子を紹介します!

集合場所は六本木ヒルズのオフィス棟エントランス。駅からのアクセスポイントに、スタッフが立って、集合場所まで参加者を誘導しました。

迎えるのは、スローレーベルがヨコハマパラトリエンナーレなどを通じて育成し、障害のある方との関わり方を学んできた、アクセスコーディネーターとアクセススタッフ。”インクルーシブな世界のつくりかた”を心得たスローファミリーです。

受付が済んだら、まずは軽く自己紹介を。参加者は純粋にアートに触れたい! と出かけてきてくれた親子や、インクルーシブな場づくりに関心のある、文化施設関係者など。スローレーベルは障害者と共に過ごすことで日常に新たな眼差しやきづきを得れるよう、健常者の参加も積極的に受け入れています。

まずは六本木ヒルズ内で、アートを鑑賞。触っていると光って振動するという作品です。参加者もアクセススタッフも、みな一緒になって思わず夢中に。「あ! いま震えたよ!」と、アート体験を楽しみました。

そして、いよいよ公道へ! 人の流れが緩やかな、秘密の扉を置くような場所に設置されているエスカレーターに乗って街に出れば、見慣れた風景も、ちょっとした冒険に出かけているように感じられます。

移動中は複数人のアクセススタッフが、ツアーを先導したり、車椅子の横でサポートしたりと、さりげなく役割分担をして、安全に気を配ってくれました。

六本木西公園に到着! 車椅子だと、砂利道は嫌かも…と、事前の下見でチェックしていたので、ここでもアクセスコーディネーターが、さりげなく声がけします。

ですが、心配ご無用! 砂利道の公園内にもぐいぐい入っていって、好奇心旺盛に、アーティストユニット冨永ボンドさんのボンドアートワークショップに挑戦させてもらいました。

公園内では、特別に作品に触れさせてもらったりと、思い思いの時間を過ごしました。

さらにツアーは最終目的地の東京ミッドタウンを目指します。人通りの多い場所でもスムーズに通行できたのは、入念な下見と、アクセスコーディネーターとアクセススタッフの柔らかい気遣いによるもの。

見てみて! タクシーの中の室内灯も光ってる! 迫力のアート作品を前に会話が弾みました。

そして、ゴール地点は鈴木康広さん作品「空気の人」。

軽やかなのに迫力のインスタレーションに、参加者一同感激!

解散前には記念撮影を! 1時間半の短いツアーではありましたが、初夏の日差しで体調を崩すこともなく、とても満足いただけ、笑顔で解散となりました。

もっと楽しくバリアを超えていくために

いわゆる一般のアートイベントで、障害者のアクセシビリティに対して積極的な取り組みをしているのは、まだまだ希少。今回の六本木アートナイトでのインクルーシブツアー開催は、多様性と調和のある社会へと変革していく、小さくとも大きな意義のある一歩だったと感じます。

ただ、こうしたイベントに参加してくれる障害者は、現在だと、好奇心旺盛な冒険者タイプが多く、「アートに興味はあるけれど、街中に出かけて行って大丈夫かな?」と思ってしまう方々がまだまだ大多数なようです。彼らの心にあるバリアを超えていくためには、こうした取り組みと参加の機会が増えることが大切なのです。より多くのアートイベントに取り組みが根付くことを願います。

スローレーベルとしても今後ますます、このような機会を増やすために貢献していければ。

写真=shinya kigure+Locul p

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六本木アートナイトでのインクルーシブツアーのつくりかたを、もっと知りたい!という方は、6月19日(火)開催のツアー報告会に参加いただけます。詳細はこちら

 

★六本木アートナイトについて詳しくはこちら(六本木アートナイト公式ウェブサイト)をご覧ください

六本木アートナイト2018 「六本木アートナイトをバリアフリーに巡るインクルーシブツアー」

【主催】
東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、港区 、六本木アートナイト実行委員会 【国立新美術館、サントリー美術館、東京ミッドタウン、21_21 DESIGN SIGHT、森美術館、森ビル、六本木商店街振興組合(五十音順)】

【企画・運営】
特定非営利活動法人スローレーベル
インクルーシブ・プロジェクトマネージャー:野崎美樹
アシスタント プロジェクトマネージャー、ツアーガイド:塚原沙和
アクセスコーディネーター:波羅典子
ツアーアドバイザー
手話通訳者:たつの会
アクセススタッフ