その先にあるもの

03パフォーマンスがとにかく楽しい
トレーニングで体力もついた
SLOW LABEL
パフォーマー
ディレクション:栗栖良依 編集:友川綾子 取材・文:清水康介 写真:古川智基(SAFARI.inc)
第1回
今回お話を伺ったのは、SLOW LABELがパフォーマンスに
取り組み始めた2014年からパフォーマーとして参加している小川香織さん。
お母さんとお姉さんのお子さんで甥っ子のアヤトくんも立ち会ってくれ、
和やかな雰囲気のなかインタビューは始まりました。

SLOW LABELパフォーマーの小川香織さん
就職したら少なくなった身体を動かす機会をつくる
まず最初の「香織さんは今おいくつですか?」という質問に、
「(平成)6年6月16日生まれです」
と生年月日を答えてしまう、少し緊張気味な香織さん。お母さんが「いくつって訊かれているから、24才でしょう」と横からサポートしてくれます。

幼少期の香織さん
香織さんは3人姉妹の真ん中。ダウン症児として、この世に生を受けました。ダウン症候群と診断される人の多くは、通常2本ずつある染色体のうち、21番目の染色体だけが3本ある状態で生まれてきます。一般に、身体的な発達の遅れや、平均して8〜9才程度の精神年齢に相当する軽度の知的障害を特徴とするといわれていますが、その程度は個人によってかなりのばらつきがあるようです。また、遺伝子の疾患ではありますが、遺伝するものではなく、発生時の突然変異として誰にでも起こりうるものと考えられています。
香織さんが「本当に大好き!」と言うSLOW LABELに、初めて参加したのは2014年。お母さんの話によれば「就職したての頃ですね。18で高校を卒業して、余暇活動をどうしようかと思っていました。土日は家でずっとアニメばっかり見ていて。そんなとき、勤め先の福祉作業所の当時の所長さんがSLOW LABELのチラシを持ってきてくださって。これっきゃない、と」。それが、第1回のヨコハマ・パラトリエンナーレに向けたワークショップ参加者を募るものでした。
小川香織(おがわかおり)
SLOW LABEL パフォーマー
PROFILE

1994年生まれ。ダウン症。SLOW LABELパフォーマー。ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014からパフォーマンスに参加し、豊洲、横浜、東京など各所でのパフォーマンスに参加。「いずみ福祉作業所ゆう」に通っている。かっこいい踊りを踊れるようになりたいと思っている。