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INTERVIEW

その先にあるもの Beyond Slow

05ロンドンでの経験値を活かして
スローな現場で柔軟なクリエイションを

コスチューム
デザイナー

ディレクション:栗栖良依 編集:友川綾子 取材・文:清水康介 写真:古川智基(SAFARI.inc)

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明るいピンク色のショートボブ、黒いシャツにはチーターのような動物の青い刺繍が。
見るからに個性的な出で立ちでアトリエに迎え入れてくれたのは、コスチュームデザイナーの武田久美子さんです。
舞台衣装はもちろん、広告写真のコスチュームなども手がけられていて、SLOW LABELでは、ヨコハマ・パラトリエンナーレのパフォーマンスプロジェクトや『SLOW MOVEMENT』で衣装を担当しています。

武田 久美子さん 第1回

コスチュームデザイナーの武田久美子さん

クリエイティブな環境で育まれた感性

「今、作業が2,3個同時進行してるから、すっごいカオスで!いや、いつも汚いんですけど(笑)」

と案内してくれたアトリエは、布やスケッチ、資料などが所狭しとひしめいていますが、その雑然とした様子がむしろ格好いい。これぞクリエイターの仕事場、というような空間です。

ご実家でもあるというこのアトリエ、なんと設計をしたのはお父さんなのだそうです。建築家を父に持ち、ご自身も衣装デザインという日本ではまだ珍しい職業を選択した武田さん。いったいどんなご家庭で育ったのか、興味が湧きますね。

小さい頃から、美術館によく連れて行ってもらったりはしていました。あと自分でも面白いなと思うのは、お絵かきの筆とかも平筆しか使わせてもらえなかったんですよ、の英才教育で(笑)。絵の具を混ぜるのも、小学生の丸筆じゃなくて平筆でちゃんと(笑)。厳しかったわけじゃないんですが、絵を描いて父に見せても『上手くかけたね!じゃあもう一回描いたらもっと上手くなるよ』って。私は一枚に込めるタイプだったんで『やだ!』って言ってましたけど(笑)」

武田久美子(たけだ くみこ)

コスチューム デザイナー

PROFILE

武田久美子

1979年 東京生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン学科卒業。テキスタイルの技術を生かしながらの舞台衣装デザインに興味を持ち、卒業後にロンドンへ渡英。London College of Fashionの衣装デザイン学科、引き続き同校の大学院にて専門的、技術的に、ステージ上での衣装の役割や効果を模索するようになる。大学院卒業後から本格的にキャリアをスタートし、グローブシアター、バービカンシアター、ノッティングヒルカーニバルなど、様々なパフォーマンスの衣装デザイン・制作をしている。2012年からは拠点を日本に移し、広告(TV、グラフィック、WEB)や音楽(コンサート、CDジャケット、Music Video)、映画、舞台の衣装など活動の場所を広げている。ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014/2017、SLOW MOVEMENT、リオパラリンピック旗引き継ぎ式に参加。電通ミュージック・アンド・エンターテイメントと業務提携。

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