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INTERVIEW

その先にあるもの Beyond Slow

08日々の営みからつくる、
とびきりのジェラート

SLOW GELATO
(愛火の会 野々島学園)
アカンパニスト

ディレクション:栗栖良依 編集:友川綾子 取材・文:清水康介 写真:古川智基(SAFARI.inc)

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今回のBeyondスローの舞台は、熊本県合志(こうし)市。
熊本市に隣接したベッドタウンで、豊かな農地も広がる合志市で作られているジェラート
「SLOW GELATO(スロージェラート)」にフォーカスを当てます。
お話を伺うのは、SLOW GELATOを製造する福祉施設、野々島学園で働く土井愛(めぐみ)さんです。
くるくると忙しく立ち回る合間を縫って、優しい笑顔でインタビューに応じてくださいました。

土井 愛さん 第1回

熊本の郷土料理がジェラートに

SLOW LABELが野々島学園と共同プロデュースするSLOW GELATOは、季節の果物や野菜など、熊本の地元食材を使用したオリジナルのジェラートです。「こだわりミルク」や「いちご」といったオーソドックスなフレーバーもありますが、「煮込みトマト&ジンジャー」や「桑の実ミルク」、「梅干しハニーミルク」といったユニークなものも。愛さんはというと、「ご汁&大豆プラリネ」フレーバーが特に印象的だったようです。

「すごく個人的な話で申し訳ないんですけど、ご汁がもともと好きで実家にいたときよく食べてたんです。『ご汁がジェラート!?』みたいな感じで半信半疑だったんですけど(笑)」

ご汁は「呉汁」とも書きますが、大豆を水に浸してすり潰したものを味噌汁に入れた熊本の郷土料理。熊本のほかにも、九州や北陸など日本各地に微妙に作り方が異なるご汁が伝わっているようです。

プロクリエイターがレシピを考案

「基本的に変わり種の味って美味しくないイメージが私のなかにあって、だから絶対に冒険しない主義だったんですけど、ご汁ジェラートは冒険してよかった(笑)。大豆のツブツブ感もあって、ちゃんとご汁らしいんです」

そんな絶妙なマッチングを考案しているのは、ケータリングや飲食店向けのメニュー開発を行うフードデザイナーの「モコメシ」こと小沢朋子さん。日本を代表するインテリアデザイナーの剣持勇が創設した剣持デザイン研究所での勤務経験もある異色の経歴の持ち主です。モコメシさんのレシピに、SLOW LABELではおなじみ、サファリさんの温かくも洗練されたアートディレクションもあり、今では大手雑誌のジェラート特集にも掲載されるほどです。東京でも『ミナ ペルホネン』が運営するセレクトショップ「call」で販売されています。

土井 愛(どい めぐみ)

SLOW GELATO (愛火の会 野々島学園) アカンパニスト

PROFILE

土井 愛

熊本県生まれ。小さいころからお店屋さんになりたく、商業高校に進学。高校でファッションに興味を持ち、ファッションデザインの専門学校に進学。卒業後ブライダル会社に入社し、オーダードレスやオリジナルドレスを制作。2017年5月、SLOW GELATOオープンにあわせ障がい者の就労支援施設、社会福祉法人愛火の会 野々島学園に入社。 障がいのある人たちに寄り添い、現在は利用者さんとともに手間暇を重ねて日々ジェラートづくりを行う。

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