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【レポート】六本木ヒルズで2050年の社会を考える。対話イベントに栗栖が登壇

2019 07/16 Tue

2019年6月28日に六本木・アカデミーヒルズで開催された
「みんなで語ろうフライデーナイトvol.15」にて、栗栖良依がファシリテーターをつとめました。

アカデミーヒルズが主催する「みんなで語ろうフライデーナイト」は、スピーカーと参加者が少人数でフラットに一体となって知恵を深めていくミーティングです。毎週、多彩な分野で活躍する方がゲストファシリテーターとして登壇し、ゲストが用意した熱いテーマを皆で語り合います。

SLOW LABELディレクターの栗栖良依が用意したテーマは、”「2050年の社会」を考える”でした。

福祉職員、微生物の研究をする大学生、保険会社の法務部、経営コンサルや社会課題解決プロジェクトを手がけている方など、立場も経験も多様な人たちと、未来について語り合いました。この多様性が熱い対話につながりました。

栗栖がなぜ30年後の2050年をテーマとしたかというと、東京パラリンピックのある2020年をきっかけにダイバーシティを実現する追い風が吹いている今、本当に多様な人々が共生する社会を作るためには、2020を目標とするのではなく、さらに先のことを見据えて考えていく必要があると考えているから。

対話の場は事前に「自分の仕事が2050年にどうなっているか」を考えてくるという宿題が出されており、それぞれ考えてきたことの発表を中心にイベントは進行。

多様なバックグラウンドを持つ人の集まりだからこそ、30年後について、十人十色の視点で意見が出ました。

おおむね共通していたのは、ロジカルシンキングや数字などデジタルな処理を扱うことは機械のほうが優れているので、技術が進めば、それは人間の手を離れていくであろうということ。そして、人間でなければわからない、感覚や感情など正解が一つではない問題について、一人ひとりが考える力を高める必要があるということ。

例えば、サイエンスの研究者を目指している方や、経営コンサルタントの仕事をしている方は、自分たちの行っている仕事のなかでも実験や膨大なデータの分析といった仕事は、機械のほうが効率も良く、正確な結果を出すことができるため、30年後には人間の仕事は減っているだろうと予想していました。

栗栖の意見はこうでした。

「AIが普及すると障害がある人が作業所などで今やっているような、いわゆる単純作業がなくなり、障害者の居場所がなくなるのではないかと思われがちだが、実は逆だと思う。普通の人が考えられないようなことをやる、いま障害者と呼ばれている人たちが逆に重宝されるような世の中が来るんじゃないかと思います。
チームビルディングするときにも、平均的になんでもこなせる人を集めるより、いろいろな特性を持った人と、それをマネジメントできる人がいるチームのほうがパフォーマンスが高いという時代が来るのではないかという気がしています」

技術の進歩によって起こることは、いま当たり前とされていることが当たり前ではなくなり、いま「障害」と呼ばれているようなそれぞれの人の特性や個性があるのを認め合い、マイノリティがマジョリティになるような価値の逆転なのかもしれません。

全員の発表が終わった後のアンケートでは、こんな意見が出ました。

「人間がやらないといけないことが減ってきて、自分はそれはいいことだと思う。そういう幸せを感じやすくなっていけたらいいなと思います」

「意見がいろいろあるなと思いました。30年後、世の中がすごく変わると言っている人もいれば、変わらないと言っている人もいる。考えのプロセスが違うだけ。いろんな視点から見ると違う見方ができることが面白い」

「ほかの人の考えを聞くことがとても楽しかった」

「インターネットは得意じゃないけど、いろいろな意見が出てくるし、ネットが出てきてからの世の中のほうがいいものになったと思う」

「人間の本質や個性に向き合って、自分の個性を活かす術をクリエイティブに創造できるかどうかで未来は変わるとあらためて感じた」

「2050年には、世の中が今より窮屈になるというよりも、いままで凝り固まっていたものが解けていくイメージを持った。それぞれの強みが環境と連携するような社会になっていったらいいなと思います」

「大事なのは、『世の中を変えたいと思うか?』だと思いました。ここにいる皆さんが、30年後今より幸せになっているといいなと思いました」

「自分が感じていた、人が人として関わること、ロジックを越えた、人としての価値をみんなも感じているんだなと思った」

普段は交わることがない異なる背景を持つメンバーが、それぞれの立場から見た30年後という遠いようで近い未来について語り、「自分もそう考えていた」と共感したり、「そういう視点もあるんだ!」と気づいたり、多様性のある社会には欠かせない、対話の時間を持つことができました。

みなさんは、30年後の未来をどう予測しますか?
よければぜひ、このトークのように、様々な背景を持つ方と対話の時間をもってみてください。きっとそこから、より良き未来へ向かうアイディアが生まれてくるはず。


主催:アカデミーヒルズ
【参考リンク】募集ページ

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