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【レポート】ユックとリー 渦巻きの世界

2019 08/29 Thu

2019年8月11日に、ビジネスパーソン向けのソーシャサーカス体験プログラム「ユックとリー 渦巻きの世界」を開催しました。

『ユックとリー 渦巻きの世界』
あなたのこころに小さな渦巻きを。あなたの周りに小さな渦巻きを。

身体やコミュニケーション上の様々な特徴を持った人々が一堂に集まり、サーカストレーニングの手法を通して一緒に体を動かす中で、お互いを理解し、自分を解放していくことを学ぶ、次世代型のコミュニケーション実践プログラムです。理学療法士やサーカスアーティストなどの専門スタッフサポートのもと、多様なメンバーと一緒に思いきり体と心を動かすことで、他ではできない、コミュニケーション体験ができます。NPO法人スローレーベルと電通パライニシアチブが共同で開発しました。

今回はニュースサイト「NewsPicks」アカデミア会員を対象にプログラムを実施しました。

プログラムのガイドをつとめるのは、これまでSLOW LABELのソーシャルサーカスに参加者として参加してきた障害を持つ6人のメンバー。今回はプログラムの進行役に初挑戦しました。加えて、サーカスアーティストの金井ケイスケさんをはじめとするパフォーマーやアカンパニスト、アクセスコーディネーターによってプログラムを作り上げてきました。

本番までに何度も集まって稽古やゲネプロを重ねてきたガイドメンバーたち。当日、本番直前の稽古に集合したときも元気そう。前日のゲネプロでのフィードバックを受けて、本番当日も変更点がありましたが、メンバー同士しっかりとコミュニケーションをとって確認できました。

本番直前に最終確認を行うメンバー

本番前にはみんなで手を合わせて気合い入れ!

しっかり心を合わせて本番に挑みました

さて、いよいよ本番。
参加者の皆さんはまず会場の外からアイマスクをし、列になって中に入ってきます。

1.見えない線路をぐるぐる SILENT TRAIN
アイマスクを付け、見えない線路を伝って入場。 不安と期待の間を気持ちが行ったり来たり。 いつの間にかあなたは渦巻きの世界の中へ。

参加者が所定の位置に座り、アイマスクを外すと、目の前ではエアリアル(空中)パフォーマンスが繰り広げられているという演出。

参加者を一気に「渦巻きの世界」につれていくための演出です。

次は・・・・

2.胸の鍵を外そう WARMUP MUSHUP
マイムイミテーションでウォームアップ。 まねをすることはコミュニケーションのはじまりです。 と思っていたらスカーフのストップモーション。 グルグルが加速していきます。

体をほぐし、ハイタッチをしたり、スカーフを使ったりして緊張感を和らげていきます。

続いて、ジャグリングボールや皿回し、孔雀の羽、帽子などサーカス道具を使ったパフォーマンスにチャレンジするサーカストレーニングコーナー。

3.うずうずの渦巻きだ CIRCUS CIRCUS CIRCUS
ジャグリングの道具や専門テクニックをガイドに教えて もらいながら体験&挑戦 。コーナーが終わる頃にはみんな立派なサーカス団員です

まずはガイドたちによるデモンストレーションです。

デモンストレーションのあとは、参加者がそれぞれやってみたい道具に挑戦。ガイドたちは自分に合ったサーカス道具を練習し、そしてその技を参加者に教えられるようになることを目標にこれまで稽古を重ねてきました。
サーカス道具が良い媒介になって、ガイドたちと参加者の皆さんのコミュニケーションも深まっていきます。

皆さんいろいろな道具に挑戦し、最後には発表タイムも盛り上がりました。

続いて・・・・

4.いつの間にかあなたがわたし MIRACLE CIRCLE
ロープの輪を参加者全員で持ち、カラダを傾けながら バランスを保ちます。お互いの信頼がなければ倒れてしまう 難易度の高いロープワークです。

誰か一人でも力を緩めると危険なので、お互いを信頼しあい、自分の責任を感じながらやらなければなりません。

なんと、参加者の皆さんはアイマスクをしての挑戦。

視覚が使えない分、よりそれ以外の感覚に集中し、ほかのメンバーを信頼する気持ちがなければいけない状況。ですが、これまでのワークでのコミュニケーションの成果で、ちゃんとロープを均等に張ることができています。両手で持っていったロープを片手にして、さらにもう一歩信頼の絆を試す段階まで進むことができました。

続いて・・・

5.てのひらの海に飛び込もう DIVE TO LIVE
台上から後ろ向きに倒れてくるひとをみんなで協力して 受け止めます。一瞬でこころをひとつにする。 倒れる側と支える側それぞれに勇気と集中力が試されます。

スタッフも周りで見守り、安全対策は万全ですが、この「気をつけてやらないと危ないな」「ちょっと勇気が必要だな」という感覚がソーシャルサーカスのプログラムでは
とても大切。
この感覚が、一人ひとり緊張感と責任感を持ち、少し上の目標にチャレンジする気持ちや、周りの人と協力して物事を成し遂げる姿勢、達成したときの爽快感、そして「もっとやってみたい」という前向きな気持ちに繋がっていくからです。

今日のメンバーはお互い信頼感も抜群、倒れる人は勇気を出して、支える人は全員で気持ちを一つにして、ワークは大成功でした。イニシエーションには、障害のあるガイドも参加します。何度練習してきていても本番での恐怖は消えません。

クライマックスは・・・・

6.みんなで太陽に触ろう SOLEIL
リングから放射状に伸びたロープを持ち、 リングに乗せたボールを移動させます。 参加者同士の協調性が問われるプログラムです。

みんなパワフルで、積極的に声をかけあってワークを進め、見事成功!


素晴らしいチームワークでした!

いよいよプログラムも締めくくり。クールダウンも含めて、声のワーク。

7.言葉になる前の気持ちを SONG OF HEARTS
それぞれが自由にハミングしながら、それがいつの間にか ひとつのハーモニーになっていきます。 言葉に頼らないコミュニケーションが実感できます。

目を閉じて、みんなで声を出し、ほかの人の声を聞きながら、一つのハーモニーを作ります。

8.透明な気持ちで COOLING TIME
サーカスアーティスト金井ケイスケによるふりかえりの言葉を聞きながらクールダウン。 渦巻きの中でどこまで気持ちが透明になったでしょうか。

サーカスはかつては家族経営でした。サーカスには非常に危険な技もあり、命綱を つけていても綱元は自分の信頼できる家族が握っていました。高いところで演技を しているときにサポートしたり、パートナーを務めるのも自分の妻や夫、子どもたち でした。外部から入ったサーカス団員も、生活をともにすることで家族の一員になっ ていきます。知らない者同士が家族同様の強い絆をつくりあげることで、サーカス巡業をしていました。 このプログラムは、そんな時代のサーカスのエッセンスを取り入れ、言葉だけでは 築くことのできない信頼関係をつくりあげたり、想像力と創造力を総動員して相手とコミュニケーションを図るソーシャルサーカス体験プログラムです。

 

ラストは記念撮影!

9.はじまりのための想い出を SUMMER MEMORY
参加者全員で記念撮影。100 分前のあなたと違うあなたが きっとそこには写っているはずです。

サーカス道具を持って、ガイドの誘導で、「喜怒哀楽」の表情を作って写真を撮りました。今回のオリジナルテーマソングが流れる中、プログラムは終了。楽しい時間はあっという間でした。

みんな良い表情!

 

本番終了後、ガイドやスタッフチームが集まって振り返りタイム。

みんなから「あそこうまくいったね!」「次はこんなことに挑戦してみたい」などの感想が聞こえてきて、達成感に満ちた空間でした。

今回は、障害を持つガイドのみんながプログラムをひっぱっていくことにも挑戦しました。
これまでスローレーベルのパフォーマンスやサーカススクールなどで経験してきた、「教わってやってみる」ということを一段階引き上げ、自分たちが参加者の皆さんを先導するという役割を担うことができ、ガイドのみんなにとっても自信と成長を感じられる経験となりました。

ワークショップ後は、栗栖良依とNewsPicks Studios CCO佐々木紀彦さん、プロピッカー・田中慎一さん、プロアナ・奥井奈々さんによるトークセッションが行われました。


トークでは、今回のプログラムの意図や今後よりインクルーシブな社会を作るために必要なことについて、参加者の皆さまとの質疑応答も交え話し合いました。
トークセッションの詳しい様子はNewsPicksの記事をご覧ください!

【NewsPicks記事リンク】
【前編】多様性を体感する注目のプログラム「ソーシャルサーカス」とは何か?
【後編】「今の東京は優しくない」。障害を持つクリエーターが語る、社会の変え方

本プログラムの開発期間は1年以上に及びました。開発にあたっては、たくさんの体験ボランティアの方々にもお力添え頂きました。ありがとうございました!今後、多くの方に「ユックとリー 渦巻きの世界」を体験していただく機会を作れるよう、また、スローレーベルのプログラムに参加してくださる皆さんと新たな可能性を探っていける場を作れるよう取り組んでいきますので、応援よろしくお願いします!

(SLOW LABEL)


Newspicksアカデミア
ソーシャルサーカス体験プログラム〜多様性を感じよう〜
日時:2019年8月11日(Sun) 13:45 – 17:00
場所:港区立六本木中学校(東京都港区六本木6-8-16)

主催:NPO法人スローレーベル、「ユックとリー 渦巻きの世界」実行委員会
共催:NewsPicks

トークセッション登壇者:
栗栖良依(NPO法人スローレーベル理事長)
田中慎一(インテグリティ代表取締役)
佐々木紀彦(Newspicks studios CCO)
奥井奈々(Newspicksプロアナ)

《ユックとリー渦巻きの世界》メンバー:
SLOW LABEL TEAM
ディレクター:栗栖良依(パラ・クリエイティブプロデューサー / ディレクター)
プログラムディレクター:金井ケイスケ(サーカスアーティスト)
ガイド:
鹿子澤拳(アカンパニスト)
佐藤宏子(エアリアルアーティスト)
齋籐優衣(アカンパニスト)
五十嵐謙、小川香織、久保田葉月、高島尚義、藤崎建吾、松永紬
演出助手:後藤みき(アカンパニスト)
アクセスコーディネーター:廣岡香織
プロジェクトマネージャー:野村梢、宮辺薫、塚原沙和
サポートスタッフ:井手優介、斉藤洋平、曽和聖大郎

CREATIVE TEAM
クリエイティブディレクター:森下ひろき(WR Inc.)
コピー:安藤寛志
音楽:川瀬浩介
ビジュアルデザイン:柿沼智恵
衣装:中村実樹
写真:平松岳大

プログラム共同開発:Dentsu Para Initiative

SLOW CIRCUS PROJECT

参考リンク
【NewsPicks】ソーシャルサーカス体験プログラム〜多様性を感じよう〜

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