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【レポート】7/4 SLOW CIRCUS SCHOOL 第四回

2019 07/13 Sat

7月4日にSLOW CIRCUS SCHOOL 第四回が実施されました。

今回は、象の鼻テラスでの開催です。
講師は、タップダンサーのおどるなつこさんとアカンパニストの東野寛子さん、坂部みとむさん。

今回のSLOW CIRCUS SCHOOLでは、音とリズム、そして身体を使ってじっくりと自分自身と、ひとと出会ってゆきました。
そして最後のタップセッションでは初めての試みも。早速レポートしてゆきます!

このSLOW CIRCUS SCHOOLはサーカスというものを通してソーシャルスキルをトレーニングする場でもあります。
一つ一つのワーク、そして全体を通して見たときにさまざまなねらいを持ちながら毎回試行錯誤し、ファシリテーターはプログラムを構成しています。
また、社会に何かしらのバリアや課題を抱えている人も参加する場で参加者のみなさんが、このプログラムの時間をよりよく過ごせる工夫を行なっています。

例えば、この「プリップボード」。

初めのワークは自己紹介ですが、その前に歌を歌いながらみんなでこの大きな紙の周りを歩きながら囲っていきます。

この大きな紙には今日のプログラムの内容が書かれていて、全容をみんなで把握します。
今日やることを大まかにでも理解することで次の行動へと移しやすくしたり、次はこれをするんだと意識して取り組むこと(先を見越すこと)のスキルを育むことにもつながります。

さて、「自己紹介」。東野さんのリードで進行してゆきました。

さまざまな人が参加するからこそ、まずはお互いのことを知っておくことは重要です。
ストレッチやサーカストレーニングのなかで、身体に触れ合うこともあります。
障害の特性や今日の身体の状態などでみんなに気をつけておいて欲しいことを伝えておきます。

もちろん自己紹介ですから、自身のキャラクターを伝える時間でもあります!
自分を表すワンポーズをとってみんなで真似をしてを順繰りに行い、少しずつ雰囲気が軽やかになっていきました。

お次は「ウォームアップとストレッチ」。

なつこさんが、ぐにゃんぐにゃんと体を揺らして緩める姿を真似しながらみんなで体をほぐしていきます。

座ったまま、おしりで歩いて股関節周りをほぐしたりして、体も表情も緩んでいきました。また、車椅子の参加者の方も近い形でストレッチが行えるよう、アクセスコーディネーターの方や介助する方が側で一緒について、参加者の方のできる形で体をほぐせるようにサポートしています。

引き続き、ジャグラーでもあるみとむさんの進行のもと、ジャグリングボールを使って自分の体や隣にいる人の体をほぐしてゆきました。「お手玉(ジャグリングボール)」の時間です。道具と身体との出会いを丁寧に行なってゆきます。

ころころと全身をマッサージするようにボールを転がして見たり、ボールを介して隣の人と触れ合いながらコミュニケーション。

徐々にボールの使い方が慣れてきたら、今度は手放す・キャッチする・身体に乗せて静止するといったジャグリングの基本的な動きに展開していきます。みんな、高く投げたボールをキャッチしようと様々な方法を編み出してチャレンジしていました。

丸いボールのものと三角形のトライポッドの二種類があります。身体の特性や道具の特性を生かして各々が使いやすいものを判断して使っていきます。色とりどりの道具の中から、自分に合った道具を選んで取り組むことができます。

じっくりボールと向き合ったあとは、おなじみの「サーカスタイム」。

休憩時間も使いながら各々が好きなようにサーカス道具を使ってコミュニケーションをとったり、ジャグリングのスキルを習得しようと練習に励みます。

コツを掴むと、隣の人に教えあったりしてそれもまたコミュニケーションを育むタネになっています。自由時間もまた、主体的に時間を使えることで様々なソーシャルスキルを育む機械になっていたりもするんですね。

さて、お次は最後のワーク、「タップ」の時間です。

なつこさんの進行のもと、音たびを履いてタップのリズムとセッション(掛け合い)にチャレンジします。

タップの良き相棒、色とりどりのステッキも登場し、グループごとにリズムを掛け合わせながら一体感を味わいました。

今回なつこさんが持ってきてくださった「音たび」は靴の上から装着して音を鳴らせるようになっています。
自分にぴったりのサイズのタップシューズを手に入れなくても、音たびでタップをたのしむことができるのです。

足に装具をつけていたり、特殊な形状の靴を履いている方も、装着することができます。
そして今回、初めての試みとして「音たびデジタル」も一緒につかってのセッション。

音たびデジタルは音たびに内臓されてあるセンサーが、タップに反応して音と映像(モニター)が現れるシステムになっています。聴覚に障害のある方や微細な動きしかできない人でも、華やかなタップができる魔法の靴なんです。
こちらはスローレーベルスペシャリストである望月茂徳さんがなつこさんと一緒に開発を進めているものです。
こうしたスペシャリスト同士が組み合わさって新しいデバイスが誕生するのもスローレーベルならではなのではないでしょうか

今回は開発中のものを、参加者の方が実際に身につけて、一緒にセッション。

さまざまな人が、さまざまな方法で一つの輪をつくりリズムを奏でます。
初めは探り探りに音を合わせていたけれど、徐々に一体感が出てくると表情も朗らかに、タップも軽やかになっていきました。

締めの「タッタンタン、タン!」というタップの力強い音が会場に響きわたり、和やかにプログラムが終了しました。

のびのびとクールダウンをして、みんなで使った道具を片付けるまでがSLOW CIRCUS SCHOOLです。サーカスの華やかなスキルを楽しみながら、時に挑戦してゆくことを通して、日常を自立して過ごせるようになるためのレギュラープログラム。ぜひ、次回もご参加ください!

ご参加いただきましたみなさまありがとうございました。

次回のSLOW CIRCUS SCHOOLは8月3日!サーカスアーティストの金井ケイスケさん、カノケンさん、廣岡香織さんの3名の講師でお送りします!どうぞお楽しみに!

会場は吉野町市民プラザ(ギャラリー)です。

参加希望の方は下記よりお申し込みください。ご参加お待ちしております!
参加申し込みはこちら
(無料プログラムです。定員の都合もあり、応募していただいても参加できない場合もあります。ご了承ください)


SLOW LABELとソーシャルサーカス
スローレーベルは、イタリア・アジア・南米など世界各地でソーシャルサーカスを実践する団体のリサーチを重ねながら、2017年より「シルク・ドゥ・ソレイユ」のサポートを受け、さまざまな社会課題の解決に役立つソーシャルサーカスを全国に広めるプログラム開発に取り組んでいます。

「SLOW CIRCUS SCHOOL」とは
スローレーベルでは、毎月第1土曜日に「SLOW CIRCUS SCHOOL」と称して、さまざまな事情により社会に出ることが難しいと感じている若者を対象とした支援プログラムを2019年4月より試験的に実施しています。

SLOW CIRCUS SCHOOLの概要についてはこちらをご覧ください。

(スローレーベルスタッフ 齋藤優衣)

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