fbpx

NEWS

【レポート】8/3 SLOW CIRCUS SCHOOL 第五回

2019 10/10 Thu

83日、SLOW CIRCUS SCHOOL 第五回が実施されました。

今回は、吉野町市民プラザでの開催です。
講師は、サーカスパフォーマーの金井ケイスケさんとアカンパニストのカノケンさん、アクセスコーディネーターの廣岡香織さん。

今回のSLOW CIRCUS SCHOOLでは、ダイナミックに身体を使って人間ピラミッドに挑戦!各々の特徴や出来ることを生かして、それぞれが参加できる形で一つの大きな山を作り上げていきました。

このSLOW CIRCUS SCHOOLはサーカスというものを通してソーシャルスキルをトレーニングする場でもあります。
身体機能や表現力の向上を通して、自分に対する自信をつけることで新しい物事にチャレンジする気持ちが芽生えたり、他者との交流から人と関わるための適度なコミュニケーション能力を育みます。

ソーシャルサーカスWSは一つ一つのワーク、そして全体の見通しを立てながらさまざまなねらいを持ちながら、プログラムを構成しています。

まずは「ランダムウォーク」、参加者のみんなと出会うところから。空間の中を自由に歩いていきます。

すれ違う相手としっかりアイコンタクトをとっていきます。時々、速度が速くなったり、遅くなったりしながらすれ違う人とぶつからないようにしっかりと感覚を広げていきながら、相手とコンタクトをとっていきます。

徐々に慣れてきたら元気よく挨拶をしながら、ハイタッチをして空気をほぐしてゆきます。声を出すと自然と体の中もほぐれてさらに感覚や視野、体の様々なところが開いていきます。

徐々に、単純な歩行から、イメージを持った表現遊びへと展開してゆきました。ハイタッチからドーナッツのおすそ分け。美味しいドーナッツをそれぞれがイメージして口から口で渡してみたり、大きさを変えてみたりユーモアたっぷりに交流してゆきます。最後は大きな一つのドーナッツ。みんなで一つの輪っかになってつながりました。

まだまだイメージ遊びは続きます。ドーナツ→梅干し(をパスしていく)→水(になってみる)→シャワー(を浴びる)→体を洗う(背中を流し合う)→着替える、メイクする(デートのためのおしゃれをする)、香水をつけあう(どんな匂い?りんご、なっとう、いちごetc)→デートへ出発!

イメージを膨らませていくうちに、アドリブ的に発生したデートへの身支度。みんなお互いの背中を流しあったり(背中などをさすってマッサージにもなります)、ネクタイをしたり、お化粧する仕草をみんなでしてみたり、五感を使ったイメージをたくさん使って、ユーモアたっぷりに表現をしてゆきました。

摩訶不思議なアイデアが自然と参加者のみなさんからも飛び出していきます。デートだから、ネクタイつけなきゃ!香水はリンゴがおしゃれ!いやいや納豆なんで面白くない?というような軽快なやりとりが発生していきます。

実はソーシャルサーカスでも、こういった「恋愛やセクシャル」な部分にもフォーカスをあてたプログラムは世界には存在します。もっと具体的で夜のクラブに出かけてみたり、恋愛経験者のお話を聞く事だってあります。社会で暮らす上での全ての事柄における自立を促すための、プログラムを行うスクールもあるようです。

たまたま今回はイメージ遊びからこのような内容に展開してゆきましたが、参加者のみなさんのこれまでになかったチャーミングで大人な、そしてユーモア溢れる一面を垣間見た気がします。

身体も頭も柔らかくなってきたところで、引き続きイメージを持ちながらストレッチです。今回はしっかり相手の体に自分を預けていくワークなので、準備は怠りません。隅々までほぐして伸ばしていきます。猫のように背中を丸めて、そらして伸ばしたり。

犬のポーズで身体を支える手足を作っていきます。体幹と支える身体づくりです。

次はペアになって、伸ばしたり、身体を預けてゆきます。リスクを伴うワークは、相手をしっかり信頼した上で身体を預けないと思わぬ怪我につながります。

まずは仲間との信頼関係をゆっくり気付きながら身体を思い切り預けて行けるように触れ合いながら身体を動かしていきます。

相手の身体と接触する事で、相手の身体だけではなく自分の身体のことを知ることもでき、どんな風に身体を乗せれば無理がないか、安定するかなどをこの時点から探って知っていきます。

さて、いよいよピラミッド作りのはじまりです。土台づくりから。運動会などである組体操のように人の上に人が乗って高さを出しながら様々な形を作っていきます。

           安全で安定感のある乗り方のコツを教えてもらいながら、適切な身体の位置に体重をかけてみたり、相手の身体の上に立ってみたりしました。

車椅子のグループは、車椅子の骨組みを使ってみんなの体を支えながら乗っかりました。各々のグループのピラミッドの形が出来上がり、みんなで組み合わせてみることに。

今回の参加者のみなさんと作った一つの作品は最後にお披露目しますね!

ピラミッドのあとは恒例のジャグリングサーカスタイム!各々好きな道具にチャレンジしています。1人で集中する人もいれば、みんなで一緒にできる技を考えたりさまざま。

道具の使い方を教えるのはファシリテーターだけではありません。slowの活動を通してジャグリングの技を身につけた参加者が初めて使う人に教えるシーンも増えてきました。(ひさくんはフラワースティックの技を教えるのが回を重ねるごとに上手になってきています)

それでは最後に、人間ピラミッド完成の図をお披露目!

みなさんとってもいい表情!!1人じゃ小さく見えてもみんなで力を合わせればこんな大作にもチャレンジできます。高いところに登るのが苦手だった参加者も上の方でいい表情してますね。

サーカスの華やかなスキルを楽しみながら、時に挑戦してゆくことを通して、日常を自立して過ごせるようになるためのレギュラープログラム。ぜひ、ご興味のある方はご参加ください!

ご参加いただきましたみなさまありがとうございました。


SLOW LABELとソーシャルサーカス
スローレーベルは、イタリア・アジア・南米など世界各地でソーシャルサーカスを実践する団体のリサーチを重ねながら、2017年より「シルク・ドゥ・ソレイユ」のサポートを受け、さまざまな社会課題の解決に役立つソーシャルサーカスを全国に広めるプログラム開発に取り組んでいます。

SLOW CIRCUS SCHOOL」とは
スローレーベルでは、毎月第1土曜日に「SLOW CIRCUS SCHOOL」と称して、さまざまな事情により社会に出ることが難しいと感じている若者を対象とした支援プログラムを2019年4月より試験的に実施しています。

SLOW CIRCUS SCHOOLの概要についてはこちらをご覧ください。

(スローレーベルスタッフ 齋藤優衣)

TOP