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【レポート】2/1 SLOW CIRCUS SCHOOL 第10回

2020 03/02 Mon

2月1日、SLOW CIRCUS SCHOOL 第10回が実施されました。

今回は、4月よりオープン予定のラポール上大岡をお借りしての開催です。
講師は、タップダンサーのおどるなつこさん、アカンパニストの東野寛子(コージ)さん、鹿子澤拳(かのけん)さんでした。

今回も新しい会場ということもあり、初めてソーシャルサーカスに出会う方もいれば、これまでのレギュラーコースに定期的に参加してきた方もおり、経験値も特性もさまざまな方にご参加いただきました。

SLOW CIRCUS SCHOOLならではの「サーカスを通して、人と出会い、新しい自分とも出会う」場を短い時間の中で共につくっていきました。ソーシャルサーカスを楽しむ時間を通して、人と出会い、それぞれが新しい発見やチャレンジをしていく姿が写真からも伝わってくると思います。

さあ、今回のメニューです。このスクールではすっかりおなじみとなった「ロープワーク」や「ソレイユ」を取り入れながら身体を動かしていくベーシックな内容でした。

スローサーカススクールは楽しいゲームのようなワークもありますが、表現の資本となる身体作りも大切にしています。実はコントロール出来る身体づくりってとっても大切です。サーカスではリスクを伴うワークがたくさんあります。そのリスクは一人で抱えるものではなく、仲間たちとお互いの身体(命)を預けあいながら表現や技を極めていくものです。その為、自分や仲間がちゃんと自在に身体をコントロールができるようになる為に「身体づくり」はサーカスの要になっていきます。

もちろん、スローサーカススクールはさまざまな身体特性のある方が参加されることを想定して、アカンパニストやアクセスコーディネーター、フィジカルトレーナーのアドバイスやサポートをもとに、それぞれの人ができる方法を模索しながらトレーニングを実施しています。

互いの身体を知ることで、危険性を自ら認識してそれぞれのできる形、助け方を模索していくことがこのトレーニングの大切な一側面でもあります。

安全に立つ、倒れる、支えるために「体幹」を鍛える筋力トレーニング。体力は必要ですが、互いに励まし合いながら笑い合いながらしっかりトレーニングしていきます。それぞれのできる時間と範囲を尊重しながらファシリテータもその場でプログラムを進行している様子がわかると思います。

そして、サーカスで大切なのもまだまだあります。それは、「コンタクト(接触・意思疎通)」です。日常生活では、人に直接触れる体験はなかなか少ないのではないでしょうか?サーカスでは、お互いを支え合ったり、短い時間の中で息を合わせて技を表現したりする場面が多々あります。その時の相手の状態を読み取って臨機応変に対応する能力が必須になる為、「コンタクト」もまた大切な要素になってきます。

もちろん日常生活でのコミュニケーションをとる中でも、このコンタクトは実際に触れなくとも相手と関わりを持つ中では大切な行為だと思います。心のバリアを少しずつ解いていくことで、より深いコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。

空間を移動しながら、挨拶を交わしたり、アイコンタクトを取ったり、ハイタッチしたり……「コンタクト」の方法はさまざまです。

もちろん、中には直接的な接触やパーソナルスペースに他の人が侵入してくることが苦手な方もいます。徐々に慣れていけるように段階を追ってプログラムを立てたり、適切な距離感を保ちながら参加者同士の関係性が構築できるようなプログラムを立てています。

写真のように道具を使って間接的に人とコンタクトを取る、棒を使ったワーク。実はこのワーク、直接触れるよりも繊細に相手の動きや呼吸、力の強弱を受け止めることが出来ます。カラフルな棒を介して、自然と人と人が連なって和やかな輪になる様子はとっても面白いです。

このようにさまざまな方法でコンタクトを取りながら、初めて出会う人同士の関係を築き上げて行きます。

知らず知らずのうちに出来上がっていく関係性が、たくさんの面白い表現や新たな知見を生み出していくので、みんながファシリテートしている!!とびっくりする瞬間もあるくらいです。

細く見えない糸でみんながつながっていることで、安心して一人で集中して技を極めてみたり、一つの道具で2人で出来るとこを考えてみたり、教えあったりすることが出来るようです。この繋がりの中で経験を積むことが、誰かの自信に繋がっていきます。

最後にチームワークを確かめるために行った「ソレイユ」も参加者の紬ちゃんが「私がソレイユやります!!」と、自ら進んでリーダー役を買って出てくれてました。「もっと下に!」「あ、ちょっとズレてるかも」「そこだー!」と活発に参加者同士のコミュニケーションが飛び交いました。紬ちゃんの頼もしいリードのもと、ソレイユも一発大成功!!

スクールと銘打っていますが、少しずつみんなでソーシャルサーカスを作り上げる場になりつつあります。暖かい空気の中、今回のSLOW CIRCUS SCHOOLも終了しました!最後はみんなでソレイユスマイル!

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。

3月に予定していたスクールは急遽お休みとなりましたが、次年度以降も開催予定ですので開催のお知らせをご確認ください。
皆様のご参加、心よりお待ちしております!!


SLOW LABELとソーシャルサーカス
スローレーベルは、イタリア・アジア・南米など世界各地でソーシャルサーカスを実践する団体のリサーチを重ねながら、2017年より「シルク・ドゥ・ソレイユ」のサポートを受け、さまざまな社会課題の解決に役立つソーシャルサーカスを全国に広めるプログラム開発に取り組んでいます。

「SLOW CIRCUS SCHOOL」とは
スローレーベルでは、毎月第1土曜日に「SLOW CIRCUS SCHOOL」と称して、さまざまな事情により社会に出ることが難しいと感じている若者を対象とした支援プログラムを2019年4月より試験的に実施しています。
SLOW CIRCUS SCHOOLの概要についてはこちらをご覧ください。

(スローレーベルスタッフ 齋藤優衣)

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