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【レポート】「みんなで絵本」~発表会までの歩み2~

2022 10/26 Wed

10月15日に座・高円寺にて発表が行われた「みんなで絵本」。
8月の出演者オーディションから、発表当日までの歩みをみなさまにご紹介します。
今回はオーディションを経て集まったメンバーの稽古の様子をご紹介!
オーディションの様子のレポートその1はこちら
→ 【レポート】「みんなで絵本」~発表会までの歩み1~



オーディションが行われ、本格的に始動した『みんなで絵本』プロジェクト。数十人の応募があったオーディションを経て、7人のメンバーが決定!
8月27日に初めての稽古が行われました。

今回は、オーディションで選ばれた6名をレッド、ブルー、イエローの3チームに分け、それぞれにチームリーダーとして、「くるくるシルク」のメンバーに入っていただきます。もう1名は全体のガイド役として出演です。

開始前から、どのチームメンバーも混ざり合って談話やストレッチなどしていました。
初日となったこの日から早速創作を進めていきます。

まずは全員でのウォーミングアップからスタート。
全員で円を作り、演出監修を務める金井ケイスケさんを起点に自己紹介をしていきます。
自身の名前と、それに合わせたオリジナルのポーズをそれぞれ考え共有していくプログラムは、言葉以上に互いのキャラクターが印象に残りました。

稽古開始前にはまだ緊張が見えていたメンバーたちも、あっという間に打ち解けていきます。メンバー全員の仲が深まってきたところでチームに分かれての創作が開始。
早くも体を動かし多数のアイデアを出していくレッドチーム、リーダーを中心にして入念に話し合いを重ねていくイエローチーム、一つのアイデアを軸にしてストーリーを作り上げていくブルーチームと、初回にしてそれぞれの違いが見えた稽古になりました。

面白いと感じた場面は、手話を第一言語とする聴覚障害のメンバーとマイムとの親和性の高さです。くるくるシルクの方々も「マイムと手話は通じるところがある」と稽古中に話していました。情景を描写したりコミカルな演技をしたり、様々なところでマイムと手話の混ざった豊かな表現が見られました。

3チームの作品をつなぐ案内役となるのが、オーディションを通過したメンバーの一人である南瑠霞(みなみ るるか)さん。手話パフォーマンスの活動を多数経験してきた瑠霞さんが、障害の有無関係なくみんなで楽しめる絵本の世界のガイドを務めます。

さて、この「みんなで絵本」は ”みんなの「表現」の違いと「想像」の違いを楽しむ、新しい対話鑑賞型プログラム” と銘打っています。
出演者とお客様は、ただ完成された作品を演じる、観劇するという関係ではなく、
お客様の反応や会場の違いなどもその都度作品に反映し、その時だけの作品を、お客様と共に作っていく対話が大切な作品です。
そのため、10月15日の座・高円寺での発表会の前にも、図書館や子育てプラザなどの多様な場所で上演を実施しました。

初めての一般公開となる杉並区中央図書館では、絵本の演目に瑠霞さんの手話や言葉のガイドが入り混じる形で公演を行いました。
当日は雨の予報を懸念して屋内での上演となりましたが、大勢の方にご観劇いただきました。

導入の瑠霞さんの挨拶から、子どもたちは楽しそうな様子。レッドチームの『北風と太陽』では北風役の勝彦さんの一挙一動に笑顔を見せ、太陽役の佳士乃さんと一緒にポンポンを振ってくれました。

ブルーチームの『アリとキリギリス』では、黒い壁から二人が登場するごとに「アリだ!」「キリギリスだ!」と声を出して反応してくれる子たちの姿も。アリさんのジャグリングパートでは子どもだけでなく会場全体が大きな拍手を送ってくれました。

トリを務めた『大きなカブ』では、最後にカブの葉っぱを会場全体で引っ張る楽しい演出が用意されていました。皆さん積極的に参加をしていただいて無事にカブを抜くことができ、大盛況で終了しました。

公演が終了した後は、参加いただいたモニターの聴覚障害、視覚障害の方を交えてのフィードバックも行いました。
このプログラムは視覚や聴覚など様々な障害のある方にも観賞してもらうことを想定していますが、
今回はパフォーマンスにアクセシビリティの専門家や通訳の配置をしていません。
言語の違いや障害を超えて、その時々に参加する人たちで、対話の方法や合理的配慮を共に創造することの可能性を探るという作り方をしているためです。
なので、モニターとして聴覚障害、視覚障害の方に作品をご覧いただき、より「みんなで楽しむ」作品にするには何が必要なのか、聞き取りと話し合いを実施しました。
様々なご意見をいただいて、次の子ども・子育てプラザ和泉での公演に向けて改善を行っていきます。

 

その3へ続く…

 


文化庁委託事業「令和4年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
主催:文化庁、認定NPO法人スローレーベル
共催:杉並区、杉並区教育委員会
協力:NPO法人劇場創造ネットワーク / 座・高円寺、NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク

プロデュース:栗栖良依(SLOW CIRCUS プロデューサー)
演出監修:金井ケイスケ(SLOW CIRCUSディレクター / サーカスアーティスト)
チームリーダー:くるくるシルク(高橋徹・藤居克文・立川真也)
制作:山下円、和田海舟、徳川亮祐
報道関係者の皆様からのお問い合わせ先
認定NPO法人スローレーベル 広報担当:塚原沙和
TEL・FAX 045-642-6132(平日10:00-17:00 FAXは24時間対応)
MAIL pr@slowlabel.info

 

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